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入浴ケア 3つのこだわり
私たちは、入浴の目的は清潔保持だけではなく、その人の文化を守ることだと考えます。
「せまくて深い和式浴槽+同じ高さの洗い台」を使うのが安心の座位入浴。
ポイントはたっぷりのお湯で浮力を活用する介助方法です。
それを可能にするこだわりを3つ紹介します。
こだわりの「ひと」
■定期的な研修による確かな入浴介護技術
能力に応じた可能な限りの自立と安全を考え、認知症や障害のある方の尊厳を守るための入浴研修を定期的に行っています。
こだわりの「もの」
■残存機能を活かし安全も両立する福祉用具
お風呂という場は、裸の状態でかつ身体が濡れていることもあり、認知症や障害のある方にとっては常に転倒などの危険が伴います。
そこで私たちは、入浴時の安全のために厳選した福祉用具を3つ取り入れています。
1つ目は特殊な浴槽です。
といっも大がかりな機械のお風呂ではありません。認知症や障害のある方が可能な限りご自分の力を使い、また手助けが必要なところは気持ちよく介助を受けながら安全に入浴することが出来るようにと設計された青森ヒバの『生活リハビリ浴槽』です。
2つ目は座って入るための浴槽台を兼ねたシャワーチェアー『アクアムーブ』です。
介護施設によくあるシャワーチェアーは、実は幅がせまく安定感がありません。
しかし『アクアムーブ』は座面も広く360度回転式、ブレーキも驚くほどしっかりしています。
さらに座面の高さが浴槽の縁の高さと一緒で、なおかつ肘掛けが下がるので、身体を洗った後は浴槽に横付けして、歩くことなく座って浴槽に出入りが可能な浴槽台に早変わりします。
3つめは取り外せる手すりです。
固定された手すりは人が手すりに合わせる必要がありますが、これなら人に合わせて手すりの位置を移動できます。
こだわりの「はこ」
■ゆとりの入浴時間とプライベート空間
ひとりずつ入る個室のお風呂なので、プライベートな空間のように利用できます。
入浴時間も芋の子を洗うように流れ作業であっという間に終わることはなく、ひとりあたり30〜40分かけて入浴して頂きます。
研修を重ねた「デイサービスのスタッフの介護技術」と「適切な福祉用具」と「ゆとりのある入浴時間」、この三つが合わさって、「デイサービス風の便り」は認知症や障害のある方に安全で快適なお風呂を提供することが出来ています。
そして、認知症や障害があっても最期まで普通のお風呂に入るという支援を行うことで、人としての尊厳を守ることにも繋がっています。
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食事ケア 3つのこだわり
私たちは、食事ケアとは自分で食べてもらう工夫をすることだと考えます。
食事の時の正しい姿勢は足をついて前かがみ。
体格にあったテーブルと椅子が正しい姿勢をつくります。
それを可能にするこだわりを3つと、メニューの一例や誕生会について紹介します。
こだわりの「ひと」
■手助けも声掛けも必要最小限に
誰もが自分のペースで食べたいはずです。
認知症や障害のある人はそのペースを乱されると、むせや誤嚥につながります。
介護する側の声掛けや介助が安全に食べるための妨げになっては本末転倒。
言葉や態度でせかさないのはもちろんのこと、手助けが必要な人への介助も、どうしてもという必要最小限にとどめ、ご自分のペースで食べて頂けるように配慮しています。
こだわりの「もの」
■可能な限り自分で食べるための福祉用具
自分で食べるための福祉用具といえばスプーンやフォークなどの自助具が真っ先に思い浮かびます。
もちろん大切ですし、私たちも必要であれば活用します。
しかし、それ以上に大切な福祉用具は体形に合った椅子とテーブルです。
誤嚥を防いで食事をするには正しい姿勢が不可欠。誤嚥を防ぐ正しい姿勢とは「足を床につける」「前かがみになる」の2つです。
なぜなら、きちんと「足を床につける」ことで覚醒し、「前かがみになる」ことであごが引けます。
そうすると、口の中で「咀嚼(かむ」⇒食塊形成(丸める)⇒嚥下(飲み込む)」という自然な動きが出来るからです。
日本のおばあさんの膝から下の長さの平均は37cmほど。
それに対して一般的な椅子の座面の高さは42センチ程度。
私たちのデイサービスは38pの座面の椅子に65cmの高さのテーブルを(一般的には72cm程度)を使っています。
より小柄な人や、認知症や障害の程度が重い人には、テーブルの高さを変えられる「生活リハビリテーブル」を使い、可能な限り自分で食べていただける環境をつくります。
私たちは、ご自宅で食事の度に「むせ込み」が止まらない方が、デイサービスで上手に食事をしているケースをたくさん見てきました。
ご自宅では椅子やテーブルの足を切ることで応用できます。
こだわりの「はこ」
■ゆとりの食事時間・食べたいとき・落ち着く空間
食事にかける時間は決まっていません。
10分で食べ終わる人もいれば1時間かけて食べる人もいます。
おなかが空いていなければ時間を遅らせて食べます。
また認知症や障害で飲み込む機能が落ちた人には、食事中におしゃべりすることや騒がしい空間は気が散ってしまい、食べることに集中できず誤嚥の危険があります。
そうならないように食事の席に配慮したり、歌詞のない落ち着く音楽をかけたりといった配慮をしています。
メニューの一例
誕生日会
毎月の誕生会では、誕生日の方のリクエストを聞いて作ったり、リクエストがない方は、代表手作りの「絶品?ちらし寿司」と「茶碗蒸し」を召し上がって頂いています。
安全な姿勢を助ける「適切な福祉用具」と、「ゆとりのある食事時間」と「温かい食事」で「デイサービス風の便り」は安全で美味しい食事を提供することが出来ています。
そして、認知症や障害があっても可能な限り自分で食事をして頂く支援を行うことで、人としての尊厳を守ることにも繋がっています。
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排泄ケア 3つのこだわり
私たちは、排泄ケアとはオムツ交換ではなくトイレにつれていくことだと考えます。
支えが必要でも座位が取れるならオムツを外してトイレに座っていただき、
「座る」「足をつく」「前かがみ」という排泄しやすい姿勢をサポートします。
それを可能にするこだわりを3つ紹介します。
こだわりの「ひと」
■要介護5でもトイレに!移乗介助の技術
障害があるからと、介護する側がトイレに移って頂くことをあきらめてしまってはプロ失格です。
私たちは、要介護5でも可能な限りご自分の力を使ってトイレに座って頂くための移乗介助の研修を定期的に行っています。
こだわりの「もの」
■移乗にも前かがみにも役立つ福祉用具
排泄するための正しい姿勢は「座る」「足を床につける」「前かがみ」の3つです。
ところが介護度が上がるほどトイレに移乗することが大変ですし、座ったとしても身体を安定させることが難しくなります。
私たちは認知症や障害があってもトイレでの排泄をあきらめないために、排泄時の厳選した福祉用具と工夫を取り入れています。
その福祉用具とは前傾姿勢支持のための『ファン・レストテーブル』です。
実はこのテーブル一つで「可能な限りの自立支援」「介助者の負担を軽減」「リラックスできる環境を実現」「ズボンの上げ下げや移乗も安全でラクラク」といった4つの効果があります。
もう1つは、しっかり足をついて安心してトイレに座っていられるための足台です。
日本のおばあさんの膝から下の長さの平均は37cm。
それに対して一般的なトイレの座面の高さは低くても42センチ程度。
5pの厚さの足台を置くことで安心して座ってリラックスすることができます。
こだわりの「はこ」
■トイレは行きたいときに個室で落ち着いてゆっくりと
排泄というのは副交感神経優位ですから、リラックスすることは何よりも大切になります。
トイレはすべて鍵のかかる個室になっており、落ち着いてご利用できます。
排泄最優先の原則に沿って、何をおいても最優先し、行きたいときにご利用できます。
認知症や障害で尿意便意のわかりやすい訴えがない方は、タイミングを予測することや、認知症のお年寄りのいつもと違うしぐさや行動に気を配ることで、トイレで排泄できるようにさりげなく誘導します。
研修を重ねた「要介護5でもトイレに移乗できる介護技術」と「安心の福祉用具」と「排泄最優先の介護と個室のトイレ」、この三つが合わさって認知症や障害のある方に安心でゆったりできる排泄を提供することができ、人としての尊厳を守ることにも繋がっています。
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デイサービス風の便りの認知症ケア
私たちは、認知症ケアで大切なことは
「介護をより基本的に」
「一人ひとりの役割づくり」
「専門家より共感する仲間」
の3つだと考えます。
それぞれ詳しく説明しますので、参考にされてくださいね!
介護をより基本的に
■食事・排泄・入浴のケアを大切にします
「介護をより基本的に」とは、食事、排泄、入浴のケアを大切にしようということです。
お年寄りは、老化と老化に伴う自分自身の心身の変化に日々適応しようと頑張っています。
その心身の変化に加えて、食事、排泄、入浴というお年寄りが無意識に繰り返してきた生活習慣を変えてしまうことは、よりいっそうのストレスとなり、簡単に適応障害を起こしてしまいます。
その適応障害による違和感が認知症により言葉にできず、俗にいう『問題行動』というかたちで表に出てくるのです。
私たちは『問題行動』をできるだけ減らすために、認知症や障害があっても、食事、排泄、入浴を今までと環境を変えずに出来るように工夫しています。
具体的には、食事は好みに配慮した美味しいものを座って口から食べ、排泄はしたいときにトイレに座ってする。
入浴は座って肩まで湯船につかる、ということです。
人の心と身体は繊細に影響しあっています。
無意識に繰り返してきた生活習慣を認知症や障害があるからこそ変えずに大切にすることで、穏やかに過ごして頂けると考えています。
ひとりひとりの役割づくり
■役割づくりに大切な3つのこと
老化と老化に伴う自分自身の心身の変化は、社会的な役割や家庭内での役割を失うことにつながります。
そしてそれが「自分は本当にダメな人間だ」「自分はここにいていいのだろうか?」という感情を持つようになり、自己肯定感を失うことになります。
『一人ひとりの役割づくり』とは、認知症や障害のある方が自己肯定感を取り戻し、安心して過ごして頂くための手段のひとつです。
もちろんそれですべてが解決するわけではありませんが、2割くらいは劇的に落ち着く方もいらっしゃいます。
そして、役割づくりが負担にならないようにするためには条件があります。その条件とは、
B
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その役割をすることで周囲から認められて感謝されること
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私たちはこの3つの条件を大切にしながら役割を持って頂くことで、デイサービスが安心して過ごせる場所になるように考えています。
専門家より共感する仲間
■向き合うより並んで座る
『認知症のある人=介護をされる側」にとって『介護者=介護する側』の存在はどう感じられるのでしょうか?
一言で言えば逆らえない存在です。
なぜなら介護者がいなければ生活ができなくなるのですから。
でも、逆らえない存在のままでは認知症の人は安心できませんし、落ち着いて生活することは難しく、ストレスから適応障害になり認知症が悪化したりします。
ではどうすればよいのでしょうか?
少なくとも認知症のある人にとって脅威ではない雰囲気を持った人にならなければいけません。
それにはまず身に着けた専門性を相手に見せないことが必要です。
もちろん私たちは介護の専門家ですから、いざというときに発揮できる専門性は必要ですが、そのいざというときをつくらない為にこそ、普段は専門性を隠して『仲間』になる必要があります。
仲間というのは、食事の時間を例にとれば、『粗相をしないかと立って監視する専門家』ではなく、『一緒に座って同じものを食べながら食事を楽しむ仲間』ということになります。
「帰りたい」という人に向き合って説得する専門家ではなく、並んで座って「そうですね、帰りたいくらいの気持ちですよね…」と『気持ちに共感する仲間』です。
訓練室の中のようにフェイスtoフェイスで向き合う専門家ではなく、『一緒に並んで座って景色を眺める仲間』になることで、認知症のある人が緊張せずに落ち着いて過ごせる場所になるように考えています。
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デイサービス風の便りのリハビリ
「デイサービス風の便り」では訓練が目的のリハビリは行いません。その理由は単純に楽しくないだろうと思うからです。
たとえば、認知症や障害があるとリハビリに対する意欲がない…そんな声をよく聞きます。
確かに、病院でするリハビリは、
「平行棒を行ったり来たり」
「おもりをつけて足を挙げたり下げたり」
「マヒした手足を曲げたり伸ばしたり」
と、ややもすれば単調で苦痛でそれ自体が受け身になり、消極的になるのも無理はありません。
障害のある方にとってそのようリハビリは最初は頑張るのですが、途中からやる意味が見いだせず、やる気が起きないといった場合もあるのではないでしょうか?
また認知症がある方は「リハビリに対して意欲がない」そうレッテルを張られてしまうこともあります。
でもそれは障害のある方や認知症のある方が悪いのではないのです。
悪いのは認知症や障害のある方の意欲を引き出せないリハビリの方です。
リハビリを目的にしているから飽きてしまうのです。楽しくないから意欲が出ないのです。
認知症や障害のある方が何のためにリハビリをするのかと言えば、認知症や障害になる前のように楽しく生活する為です。
しかし80歳90歳にもなれば、例え認知症や障害が無かったとしても、明日の命さえ分かりません。そんな方がリハビリが終わってから生活するのでは遅すぎます。
ではどうすればよいのでしょうか?
『認知症や障害のある現在の心と身体のままで、出来る限り残された力を使い、足りないところは気持ち良く介助をお願いし普通の生活をすること』をそのままリハビリの代わりにしてしまえば良いのです。
そしてもう一つは「遊び」をリハビリに取り入れるということです。
大人も子供も「遊び」の最中は、わざわざ意欲を引き出そうとしなくても夢中になります。
こんな便利なものを使わない手はありません。
下記に「生活リハビリ」と「遊びりテーション」について説明します。
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生活リハビリ
『生活行為に勝る訓練なし』という言葉に代表されるように、認知症や障害のある人にとって、病院や訓練室でする訓練よりも、慣れ親しんだ生活行為の方がよりリハビリ効果が高いのです。
■生活リハビリ @散歩(歩行訓練)
訓練室のリハビリでは歩行訓練ですが、私たちは歩行訓練として近くの公園や車通りの少ないご近所でのお散歩を取り入れています。
「歩行訓練しましょう!」というよりも「天気が良いからお散歩に行きましょう!」
の方が心が動きますよね。
期待できるリハビリ効果
3.
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坂道を上り下りと歩くことで足首の稼働域を維持し、歩行や階段の上り下りが安定する
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4.
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自然を感じながら歩くことで「楽しかった」記憶が残り、誘いやすくなる。
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メリット
デメリット
3.
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片麻痺があり、装具をつけている人には坂道は難しいことがある
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5.
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一度お散歩に出ると気分が乗って帰ってきてくれないことがある
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■生活リハビリ A家事炊事や趣味活動(生活動作訓練)
『生活行為に勝る訓練なし!』という有名な言葉があります。だからと言って「今から生活行為訓練をしましょう!」というのも考え物。
普通に『人手が足りずに困ってます。お手伝いしていただけないでしょうか?」と言えば良いのです。
「利用者さんにそんなことをさせるなんてとんでもない(怒)。」というそこのあなた…
これ以上に意欲的に取り組んでくれるリハビリは他にはありますか?
お年寄りにばかり「ありがとう」と言わせてませんか?お年寄りに「ありがとう」という機会を作ってますか?
これは、自分自身のリハビリになっていながら人の役にも立てて、スタッフと利用者の関係も良くなる。一石三鳥の最高のリハビリです。
期待できるリハビリ効果
1.
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「誰かの役に立つ」という自己重要感の向上により精神面が落ち着く
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3.
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立位でのお皿洗いや洗濯物干しはバランス能力の維持・向上
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メリット
1.
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慣れ親しんだ行為なので認知症の方でも新しく覚えるというストレスがなく、無理なくリハビリとして取り組める
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3.
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慣れてくると、ご自分から「何かすることない?」と聞いてくるので誘う必要もなくなる
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デメリット
1.
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ほとんどありませんが、やりたい人が多い日はあっという間に仕事が終わり「もっとない?」と満足できない人もいる
そんな時は「アハハ、今日はやり手が多かったから早かったねぇ〜」と笑ってごまかす(笑)
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■生活リハビリ B外出支援(地域とのつながり)
デイサービスを外出の場に…それもいいですが、たまには気分転換にお出掛けしたい。
デイサービスに閉じ込めておくのではなく、デイサービスをきっかけに地域に出かける。
それは生活してきた地域とのつながりを守り、心をイキイキとさせることにもつながります。
まさしく心のリハビリです。
期待できるリハビリ効果
1.
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デイサービスと家との往復ではなく、生活する世界が広がることでの心身の活性化が図れる
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2.
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楽しさから自然と歩く距離も長くなり、いつもよりリハビリになっている
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メリット
2.
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拒否されることがほとんどない。嫌だと言っていても、皆が出かける準備を始めると「やっぱりわしも行く(笑)」と言われる
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デメリット
■生活リハビリ C座って足をつけて生活する
「生活」とは前項で紹介した「食事・排泄・入浴」のことです。
いくら訓練室で手足を動かしていても、訓練室を出たら寝たきりでは何の意味もありません。
介護の基本は『人を寝たきりにしないこと』ですが、『寝たきりにしない』とは『寝たまま排泄しない』『寝たまま食事をしない』『寝たまま入浴をしない』ということです。
すなわち、普段はベッドで過ごすことが多くても、食事や排泄や入浴という生活行為を座って出来ていれば寝たきりではありません。
座って足をつけるという行為には下記のようなすばらしいリハビリ効果があります。
期待できるリハビリ効果
メリット
1.
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慣れ親しんだ行為なので認知症の方でも新しく覚えるというストレスがなく、無理なくリハビリとして取り組める
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デメリット
1.
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認知症や障害のある人に安全に座って排泄や食事や入浴をして頂く為の正しい技術や知識が必要なので覚える必要がある
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2.
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旧態依然としたお年寄りを寝たきりにする介護が好きな人には向かない
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遊びリテーション(遊び+リハビリ)
例えば、私たちの身体が動く時ってどんなときでしょうか?
私たちが楽しいってどんな時でしょうか?
私たちが夢中になれるときってどんな時でしょうか?
子供から大人まで楽しくて夢中になって身体が自然と動くのは『遊んで』いるときではないでしょうか?
『心が動けば身体が動く』という有名な言葉があります。
そして逆もまた然りで『身体が動けば心が動く』とも言えます。
でも最初に動かさなければならないのはやはり『心』の方です。
『遊び』を取り入れることは、一見すると幼稚で専門性もない風に取られがちです。
しかし、認知症や障害のある方の意欲や笑顔も引き出せない専門性(リハビリ)なら、あってもしょうがないですよね?
『遊び』の要素があるから人の心が動き、笑顔になる。でも遊んでいるだけではなくて、それがきちんとリハビリになっている。
「デイサービス風の便り」は私たちは認知症や障害のある方の心を動かすためのリハビリとして、"遊び"と"リハビリ"を組み合わせた"遊びリテーション"を取り入れています。
リハビリの専門家のいないデイサービスだからこそ出来る認知症や障害のある方の為のリハビリです。
遊びリテーション(遊び+リハビリ)は何種類もある必要はありません。
その日のメンバーの認知症や障害の程度に合わせてシンプルなものが3種類くらいあれば十分です。
それはなぜでしょうか?
認知症のある人は新しいことを覚えるのが苦手です。
複雑なルールは覚えられませんし、前回のことは忘れています。
なので、簡単なルールで、かつリハビリにもなるものが1番なのです。
以下に、遊びりテーション(遊び+リハビリ)の一例を紹介しますね。
■風船バレー
かなり大きい風船を使って単純に目の前に来た風船を打ちます。みんなで協力したり激しく打ち合ったり色々な遊び方が出来ます。当たっても痛くないので安心して遊べます。
期待できるリハビリ効果
メリット
1.
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ルールが単純なので、認知症や障害で要介護度の高い人でもいきなり参加できる
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2.
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普通の大きさの風船は小さくて打つのが難しい人でも、大きい風船を使えば必ず風船に触れるので満足感が高い
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3.
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大きい風船だと手先だけの運動でなく、足を踏ん張り身体全体を使うので、見た目よりもかなりの全身運動になる
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4.
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単純でだれでも参加できるのにリハビリ効果がかなり高い
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デメリット
1.
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プライドの高い人には「こんな幼稚なことが出来るか!」と言われることもある
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2.
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結構楽しいので、「他のレクリエーションは嫌だ」と言われてしまう
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■ベンチホッケー(ベンチサッカー)
新聞紙で作った棒を持ち(ベンチサッカーの場合は足で)敵味方に分かれボールを相手のゴールに入れるゲームです。
期待できるリハビリ効果
2.
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上肢の筋力向上・『棒でなく、足を使うベンチサッカーなら、下肢筋力の向上』
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メリット
2.
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障害の程度に合わせてホッケーとサッカーを使い分けられる
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3.
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スタッフも(というかスタッフの方が)盛り上がるので、つられて利用者も盛り上がる
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4.
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ベンチサッカーは、なかなか出来ない下肢のリハビリが出来る
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5.
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盛り上がると皆ボールに集中するので、ルール違反が目立たない(笑)
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デメリット
1.
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プライドの高い人にはやっぱり「こんな幼稚なことが出来るか!」と言われることもある(笑)
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2.
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人数が少なくても(スタッフ入れて3対3でも)盛り上がる
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3.
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風船バレーの方が人気があるのでいつも陰に隠れてしまう(笑)
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E心の踊る季節のイベント
「デイサービス風の便り」のイベントは「懐かしくてホッとする」をテーマにしています。
もちろんこれも『心のリハビリ』の一環です。そして「懐かしくてホッとする」を感じてもらう為に、
お花見…『お弁当を作って満開の桜の木の下で食べる』
流しそうめん…『本物の竹を使用する』、
餅つき…『臼と杵で突いた餅をみんなで丸める』
ということにこだわっています。
一見どうでも良いこだわりかもしれませんが、認知症や障害のある方の心を動かすために、イベントの回数は少なくてもいいから一つ一つのイベントをごまかさずにやることを大切にしています。
そうすることで、認知症や障害のある方に、「ああ楽しかった。ワシも一年よく頑張った…また1年頑張ろう。」
「もうこの季節か…あれから1年経ったんだねぇ…うれしいねえ…」という気持ちを感じてもらえたらと思います。
「心のリハビリ」に特別なことや新しいことは必要ありません。
普通のことを普通にするだけです。
このように「デイサービス風の便り」では伝統のある季節のイベントを大切にしています。
イベントの様子
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Cベッドからも可能な送迎
「デイサービス風の便り」では、朝も夕方も送迎を行っております。
送迎車は車いすのまま乗り込める軽自動車一台に普通の軽自動車一台、大型車(日産セレナの福祉車両)一台です。
送迎の範囲は概ね片道20分程度です。曜日によって送迎できない方面もありますのでご相談下さい。
基本的には送迎車が到着する時間に玄関でお待ち頂くのですが、重い介助が必要な方は『ベッド→デイサービス』『デイサービス→ベッド』の送迎も可能ですのでご相談下さい。
一台の車で送迎する人数は通常は最大で三〜四人程度です。車酔いしやすいという方も可能な限りのご相談に応じます。
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